こんにちは!ゆかりのワンピース考察部屋へようこそ!
今回は、ワンピースにおける「四皇」と中国の神話「三皇五帝」の関係について考察していきます。
新しい視点の考察になると思いますので、ぜひ最後まで読んでください。
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なぜ『四皇』なのか
引用元:尾田栄一郎.集英社
ウォーターセブン編の第432話でガープによって言及された「四皇」。
なぜ「四天王」でも「三大〇〇」でもなく、「四皇」なのでしょうか。
やはりこの呼び名の念頭には古代中国の神話にある「三皇五帝」があるように思えてなりません。
「三皇五帝」と「四皇」に関係があるといえる根拠は他にも存在します。
引用元:尾田栄一郎.集英社
ドレスローザ編の第761話でトラファルガー・ローが口にした「不老手術」という、オペオペの実の最上の業が明らかになってから、イム様や五老星はこの「不老手術」を受けたのではないかという可能性が高まっています。
引用元:尾田栄一郎.集英社
この「権力者が『不老手術』を受けた」という着想も、遡れば「秦の始皇帝」の物語に由来があると考えられます。
さらに「始皇帝」はもともとは嬴政(えいせい)という名で、自分が「三皇五帝」よりも上の存在であるということを内外に示すため「皇帝」と自分を呼ばせたことからも、四皇よりも上の存在、つまりイム様もしくは五老星と置き換えることができるのではないでしょうか。
ワンピースは古今東西の神話や歴史をもとに描かれています。
引用元:尾田栄一郎.集英社
大航海時代は、大海賊時代であることは明白ですし、「人々が自由の答えを求める限り、それらは決して――止まらない」というロジャーのセリフはフランス革命を思い起こさせます。
さらに「空白の100年」が、日本の古代史を元にしていると言われているため、古代中国の神話が元になっていても、まったく不思議ではありません。
そこで、今回はワンピースの登場人物と「三皇五帝」との関係を考察してみようと思います。
「黒ひげ=神農」
引用元:尾田栄一郎.集英社
ラスボスとも予想される黒ひげ、マーシャル・D・ティーチ。
頂上戦争編第576話で死亡した白ひげのグラグラの実の能力を奪い、その体に二つの悪魔の力を有することができるという驚愕の事実が明らかになっています。
引用元:尾田栄一郎.集英社
その後も黒ひげは能力者狩りを続け、第926話では雨のシリュウがスケスケの実の能力をアブサロムから奪ったことがわかっています。
これが異形と言われるティーチ個人の体質によるものなのか、はたまたヤミヤミの実の能力によるものなのかはまだ明確ではありませんが、この流れは「三皇五帝」のうち、ほとんどの文献で「三皇」に必ずカウントされる神農の伝説に似ています。
神農は、医療と農耕の知識を古代の人々に広めた存在で、自ら薬草や毒草を食らい、その効能や毒性の有無を検証したと言われています。
引用元:尾田栄一郎.集英社
これは、ヤミヤミの実の能力で黒ひげがあらゆる能力を引きずり込み、白ひげのグラグラの実の能力を奪ったりする一方で、ダメージも吸収してしまうという特徴に一致します。
神農は、最後には貯めこんだ毒素のせいで亡くなってしまったそうなのですが、この神農の最期と、ダメージを吸収し、悪魔の実を収集し続けている、黒ひげの最後が重なるように描かれるかもしれません。
「伏羲=カイドウ、女媧=ビッグ・マム」
引用元:尾田栄一郎.集英社
第1053話で四皇の座から陥落したことが描かれたカイドウとビッグ・マム。
この二人も、古代中国の神話に登場する三皇と符合するところがあります。
まず、伏羲(ふくぎ)は「八卦」(はっけ)という中国の占いなどに使われる記号を発明したと言われています。
この「八卦」は聞き覚えがあると思います。
引用元:尾田栄一郎.集英社
自身の武器に稲妻のように膨大な覇気をまとわせて相手を殴る、第915話でルフィを一撃でダウンさせたカイドウの技「雷鳴八卦」です。
引用元:尾田栄一郎.集英社
さらに、女媧(じょか)は「婚姻制度を作った」と言われること、そして伏羲と兄妹だとする説もあるという2つの点から、43人の夫と政略結婚をし、第955話でカイドウと海賊同盟を結び、第999話ではカイドウを弟の様に思っていると発言したビッグマムを連想させることができます。
ここまでそろっていると、偶然と考えることのほうが不自然ではないでしょうか。
「シャンクス=??」
引用元:尾田栄一郎.集英社
では、シャンクスのモデルは誰になるのでしょうか。
結論からいえば、シャンクスと「三皇五帝」を結びつける根拠は見つかりませんでした。
しかし、これは逆に、このようなことが言えるのではないでしょうか。
つまり、「シャンクスのまだ明かされていない伏線は、「三皇五帝」をはじめとした古代中国の神話のなかにヒントが隠されている」と。
引用元:尾田栄一郎.集英社
シャンクスは、ルフィが海賊になるきっかけとなった人物であり、麦わらの一味の面々よりも早い、第1話から登場している重要なキャラクターであるにもかかわらず、詳しいことは何一つわかっていません。
引用元:尾田栄一郎.集英社
第580話における頂上戦争編での突然の登場、そして第907話での五老星との密会など、物語の節目節目に現れては、不可解な行動をとり、それが様々な考察を生んでいます。
ひょっとすると、2022年8月6日公開の『ONE PIECE FILM:RED』で何かが明かされるかもしれませんが、そのヒントはやはり「三皇五帝」時代の神話に隠されているのではないでしょうか。
例えば、五帝の一人に、顓頊(せんぎょく)という帝王がいます。
彼は、人々が神と関わることを嫌い、人と神を関わらせないように図らったと言われています。
引用元:尾田栄一郎.集英社
第907話で五老星と特別な関係にあることが描かれたシャンクス。
その態度は、顔をフードで覆って、まるで五老星=神に等しい存在を直接見ないようにしているとも捉えられます。
引用元:尾田栄一郎.集英社
「君は政治に関わるべきではないぞ」という五老星のうちの一人のセリフにも、この顓頊(せんぎょく)の考え方に通ずるものがあるといえます。
また別の視点から考えるなら、「四皇」という考え方が、「三皇五帝」をもとにしていて、本来は「三皇」であり、だれか一人が偽物であると考えてみるとどうでしょうか。
「実は悪者説」も囁かれるシャンクス。
本来つくべきではない座についているとするならば、この「悪者説」も現実味を帯びてくることになるかもしれません。
引用元:尾田栄一郎.集英社
また偽物の四皇だから、のちに本物の四皇となる黒ひげに傷を負わされたということがあってもおかしくありません。
シャンクスについては、「悪者説」だけではなく、「実は二人説」も言われています。
引用元:尾田栄一郎.集英社
これも、神話でよく見られるもので、一人の人物に複数の呼び名があったり、あるいは同一人物説が流布されるのと非常によく似ています。
映画の公開までにもう一度情報を整理して、あらゆる神話からヒントを探してみる必要がありそうです。
まとめ
今回は、ワンピースにおける「四皇」と中国の神話「三皇五帝」の関係について考察しました。
ワンピースは、実際の大航海時代やフランス革命期を中心的なモチーフにしていますが、それだけでなく、中国史や日本史がもとになっているところもあります。
引用元:尾田栄一郎.集英社
四皇の伏線判明‥ヒントは中国の皇帝だった!【ワンピース考察】
オハラへのバスターコールは始皇帝の時代の「焚書坑儒」、最初にお話ししたオペオペの実の「不老手術」は始皇帝の不老不死を求める物語など、まだまだたくさん関連がありそうな歴史があります。
今後のワンピースの展開に期待しつつ、これからもあらゆる方向から考察していきたいと思います。
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